本日、あらためて中野三敏氏の『写楽』を読んだ。日本が世界に誇る芸術、写楽の画を文献的に判断するとこうも卑俗なものになってしまうのかと驚いている。中野三敏氏は大田南畝全集などでもお世話になっている立派なかたであるが、『写楽』に記されている内容には、反論せざるを得ない。
しかし、こうもはっきりと身分制度のこと。上級文化と下流の文化の相違などを記されていると反って気持ちが良い。
だが、世界は写楽の価値をはっきりと認めている。しかしなぜ肝心の日本では理解されることが難しいのか。そして当時の江戸の認識は果たしてそうであったのか。写楽のなかに隠されている真の姿こそ、これからの主題である。